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開成中学・今年の入試傾向から考える東大社会への歩み寄り

やや古い話題になりますが、今年の2月1日に行われた、開成中学の入学試験で思い切り小学校の授業ではやらない・また大手中学受験予備校のテキストからも抜け落ちている場合のある「国際地理」が出題されました。
しかも、内容は東大地理に酷似した推論力を試す問題で、「液化天然ガスを輸入するときには固体化させて運ぶことが多いがどうしてか」などというものでした。

さらにご丁寧に、白地図に国名を書き入れる問題で、わざわざ「東京書籍」の地理B高校向け教材を出典元として明示していました。

普通に考えれば、白地図は自分たちでも作れます。また中学の教材にのっている場合もあるでしょう。なのに敢えて「東京書籍」を名指しして引用しているのは、おそらく「開成は東大合格者の数をステータスにしている学校だ。なので、東大入試と相性のいい、東京書籍の高校地理B教科書を入学前にやっておいてくれ」だと思われます。

こうすると、教師の手間も省けるし、もともと東大受験合格の素質がある学生を選抜することも出来るからです。

実は去年、ヤフーニュースなどに、「開成、麻布などの難関中学受験では東大入試そっくりの特殊な形式で出題がされていて、東大合格のために入試形式まで真似ている」という趣旨の記事を出したのですが、手前味噌ながら今年の開成・社会入試問題がその仮説を裏打ちする結果になりました。

割と嬉しいような、あとまた、日本全体のことを考えるとこれでいいのかとか考えてしまいます。

3月5日追記:開成中学の発表によれば平成28年の社会平均は合格者51点、受験者平均が46.2点(なお満点は70点)で、平成20年以降、最低となりました(*平成19,18年などはより低かったですが)。傾向が変わったので、案の定という感じです。

ただし合格者平均点と受験者平均の差が最も大きいのは相変わらず算数で、算数の出来不出来がもっとも合否を左右する傾向は、変わっていません。
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