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麻布中社会自由論述平成24年・江藤塾解答例

以下は、貧富の差がもたらす社会的不平等と、その帰結としての具体的問題点について述べさせる、麻布中学平成24年社会論述最終問(百六十〜二百字)の解答例です。既存の過去問集やウェブサイトでは「貧しい家に生まれた子供が可哀想だ」「憲法上、平等であるべきだ」というふうな建前論系が多かったです。
それでもいちおう点数はある程度付きそうですが、この筋の論述だと、「社会全体」に対してはまでは説得性を持つと限りません。というのは、もともとお金持ちな人たちにとっては、「おれは嫌な思いしてないけど。何か問題あるの?」で、片付けられるからです。
なので、「貧富の差がもたらす社会的格差が、世の中のありとあらゆる層に対して不利益をもたらす」ヴァージョンで論述してみました。

解答例:「貧富の差が原因で、平等な教育を受ける機会がない子供がいる。これは貧しい家庭の子供だけでなく、富裕層も含めた社会全体に不効率をもたらすことがある。というのは、高等教育には教育費がかかる。すると、本当は高い医学研究の才能を有して難病治療に貢献できるかもしれない子供が、貧困環境のせいで大学進学が大学院教育の機会を失い、その業績を達成できないかもしれない。すると結果として社会全体が不利益を被る。」(198文字)

採点基準は、他校の小論文系試験と同じく、学校側が公表していないから不明ですが、この筋で書いた方が「誰に対しても説得力を一定程度持つ」ので安全だと思います。あとまあ、首都圏の私立中高一貫校を受ける恵まれた受験生が、しれっと「貧乏な人、可哀想」とだけ書いていても何となく説得力がないかもしれませんからね。

例えばドナルド・トランプ氏や、ホリエモンに「オレ関係ないから」で片付けられないような答案の方が望ましいということです。ちなみち秦の始皇帝ですら、天下を取ったあとにも求め続けたのは永遠の生だという逸話がありますので、「医療技術の革新」自体が嫌だという人はほぼいないはずです。

by江藤塾
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