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都立日比谷高校 推薦入試 平成28年過去問 解答例

問題文と解答用紙のリンクは著作権上の関係で掲載しませんが、こちらの東京都立日比谷高校リンクからご覧いただけます。なお、以下の解答例は「試験時間内に中学3年生が無理なく書けて合格ラインを超える」と思われる現実的なバージョンです。理想的な解答例については別途お問い合わせください。

大問1 問1 
 ①いずれも、一年周期で季節ごとに二酸化炭素濃度が上下を繰り返している。
 ②2001年から、年を重ねるごとに二酸化炭素濃度のサイクルが上昇する傾向がある。   

  問2 
中国などの工業地帯で排出されたCO2を偏西風が運んだため南鳥島と与那国島は、同じ傾向で毎月の濃度が変化する。だが南鳥島の方が二酸化炭素濃度が低いのは大陸との距離が遠く、途中で二酸化炭素が拡散しやすいからである。(98文字)

大問2 図3の産業革命以前と違い、図4の通り現在は生物が分解されてできた石炭・石油などの化石燃料が工業で使用されるようになり、二酸化炭素の新たな排出源となった。そのため、二酸化炭素の供給に分解が追いつかなくなり、二酸化炭素濃度が高まるという、炭素循環の変化が生じた。これが温室効果を引き起こし、世界の気温は1980年まで緩やかに上昇傾向にある。
 だがこのまま化石燃料の消費が続けば、図5のように急速な地球温暖化が生じてしまうおそれがあり、過度に化石燃料に依存した経済活動は見直しを迫られている。ここで図6によれば、持続可能性のある経済活動を目指した場合には、エネルギー源を太陽などの自然エネルギーや原子力へと置き換えれば二酸化炭素濃度の上昇と地球温暖化へは歯止めをかけることが可能である。
 もっとも各種の移行コスト(例えば自動車を石油燃料で走るタイプから、太陽光発電を動力とするものに置き換えたりするのにかかる各種の設備投資)を考えれば、新エネルギーへの移行速度は緩やかにせざるを得ないかもしれない。(423文字)

解説:図表読解と社会・理科の基本知識の活用能力を問う融合問題になっています。「小論文」という名目ですが、問1、2は書くべき内容が、誘導がしっかりとあるので一義的に決まってくる出題です。問3も制限字数からすれば自由度はそれほどなく、むしろ的確な要約能力を試す出題。

*問3の結論自体は、自由に書いて良いけども、設問の指示(①図3、4、5、6を踏まえて書くこと、②炭素の循環、経済活動、持続可能性、という3つ視点を踏まえること、③気温変化の上昇を抑えるためにはどういうエネルギー源を求めるべきかという問いに正面から答えること)は必ず守れるようにしましょう。
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